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風力の記事

中国で1000万kW級風力発電所年内にも

新華社通信26日(毎日中国経済 8月28日)によれば、酒泉市(甘粛省)は、現在世界最大の風力発電所(550万kW:年間生産能力は300万kW)の酒泉風力発電所を増強し、年内に風力発電設備容量1000万キロワットを越える施設にするという。

 

同施設では、生産設備として、年3000台の風力発電機と3000セットの風力用翼板、1000メガワットの太陽電池モジュールの生産能力を備え、風力発電、太陽熱発電など新エネルギー産業の生産拠点にもなる見通しだと言う。

 

中国のエネルギー主管部門である国家発展改革委員会と国際エネルギー機関(IEA)が共同でまとめた「中国風力発電発展ロードマップ2050」は、2050年時点の中国の風力発電の設備容量を10億kWに拡大し、中国内の電力生産に占める風力発電の比率を現在の1%から17%に引き上げるよう提言している。

 

中国では、これ以外に上海郊外など7カ所で1000万kW 級の風力発電所の計画を進めている。中国は2009年に風力発電設備量で世界一になっており、これらの発電所建設で世界における風力発電設備容量で独走態勢に入る。

 

中国以外での1000kW級風力発電所には、London Array プロジェクト(1000万kW:建設中)、英国洋上Round3プロジェクト(2500万kW:建設中)、ドイツ洋上プロジェクト(2000万kW:計画中)の3カ所がある。

なるか風力革命!

 

ベルシオン風車が世界の風力発電を変える!?

理論によってではなく、徹底的に実証を続けて完成された風車がある。その名もベルシオン風車は、一人の職人によって生み出された。株式会社グローバルエナジー会長の鈴木政彦氏だ。

 

鈴木氏は元々、静岡県浜松市でFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)などの成型業を営んでいた。自動車やバイクなどのレーシング用カウリングを手の感覚で造る職人だった。彼のもとに、ある時風力発電用のプロペラ理論の権威である某大学教授が訪ねてきた。風力発電実験用のプロペラ製作の依頼だった。仕様は既に決まっていたが、鈴木氏は依頼された以外の形状のプロペラを何百種類となく作っては回し、実験を繰り返した。できたプロペラは、その教授が依頼したものとはほど遠い形状になっていた。

ベルシオン風車

ベルシオン垂直型風車

 

「自動車レースの経験から、風洞実験と自然の条件下ではまったく違うことが分かっていました。理論や風洞実験だけでは決して上手く行かない。最良の形は、何度もやってみてわかるものという経験からでした」鈴木氏は語る。

 

鈴木氏はその後、1年を通して風向の良い栃木に研究所をつくり、何千という実験を繰り返して、風力発電用のプロペラを完成させた。それがベルシオン風車だ。しかし、風車は完成したものの「理論と違う」風車は当初誰からも相手にされなかった。「とんでも科学」と勘違いする人さえいた。

 

実際に、具体的な話になって来たのは、足利工業大学(足利市)と共同研究を進めるうちに、通常の風車より回転効率がよく、風切り音が少ないことなどがデータとして実証され始めてからだ。足利工業大学学長で、日本風力エネルギー協会の元会長でもある、牛山泉氏の協力で足利工業大学総合研究センターに於いて試験が繰り返された。その後、八丈島などでの実証が続き、メディアなどでも取り上げられるようになり、ビジネスの話も舞い込むようになった。

 

この風車の最大の特徴は、風速1メートル程で回転を始め、1.5メートルで発電を始めるという効率の良さだ。しかもかなきり音が全くしない。それは扇風機やヘリコプターのローターが、ブーンと大きな音を出して回るのに見慣れている我々には気持ちが悪い程だ。しかし、考えてみれば音が出ているということは、それだけ効率が悪いという証しでもある。

 

ベルシオンスクリュー

ベルシオンタイプのスクリュー

 

飛行機や飛行艇にも応用可能

この風車は、船のスクリュー、潮流発電、飛行機などにも応用が可能だ。飛行機についても模型を見せて頂いた。飛行艇を模したその機体は、モーターを回した瞬間、滑走を殆どせずに離陸した。極めて性能の良いSTOL(短距離離着陸機)という印象だ。飛行機というよりもまるで凧のように低速でふわりと揚がる。機体の下に抱え込む揚力が余程大きいのだと感じた。上空に上がると、もの凄いスピードで進んだかと思えば、モーターをアイドリングの状態にして、ヘリコプターのホバリングに近い状態でゆっくりと飛ぶことも出来る。これも和凧が飛んでいるイメージに近かった。プロペラで無理に加速して揚力を得ているのではなく、機体全体で風を十分につかんでいる感じだ。飛行機と思ってみればまるでUFOのような異様な動きだが、飛行機と和凧(わだこ)のあいの子と思えば何の不思議もない。

 

ベルシオン飛行艇

ベルシオン風車を応用した飛行艇模型

 

今後の展開に期待

私たちが実際に研究所を訪れて得た感想は、徹底的な実証と積み上げによって、より理想的な風車が出来たのだなという率直な思いだった。むしろ、従来の風力発電に関する研究が、既存の理論に甘んじ、基礎研究を怠って来たと言っても良いのではないかとさえ感じた。それほど、鈴木氏の造った風車やスクリューは、理想的に回転し続けてていた。そして、せっかくここまで完成している技術を眠らせてしまってはいけないという強い思いを抱いた。これらの技術が実際の風力発電や各種の自然エネルギーの分野で使用されれば、エネルギー問題の解決に大きな進展があることは間違いない。問題は、どうやってそれを受け入れる体制をつくるかだと感じた。

 

風車の実際に関しては、グローバルエナジーをご覧下さい。

 

 

 

 

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