リニューアボー 自然エネルギー政策研究所 Institute for Renewable Energy Policies

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自然エネルギーの安定化に役立てたいNAS電池

 

風が止めば風車は止まり、暗くなれば太陽電池は発電しない。そう、自然エネルギーのウィークポイントと言われているのが出力の変動だ。この出力を安定化させるために注目されている技術の一つが大容量の二次電池(蓄電池)だ。

 

中でも、NAS電池は鉛蓄電池に比べて体積・重量が3分の1程度と小さく、揚水発電と同様の機能を都市部などの需要地の近辺に設置できる利点がある。一カ所あたり数千から数万キロワットという大規模な蓄電と、連続6時間の放電が可能だ。現在量産化されている二次電池の中では圧倒的な性能を持つ。

 

NAS電池の仕組みと利用法

NAS電池は、電極にナトリウム(Na)と硫黄(S)を使用していることから名付け(日本ガイシの登録商標)られた。原理そのものは、1967年に米フォードモーターズが発表し、米国、欧州、日本で産学の研究開発が続いたが長い間実用化には至らなかった。日本ガイシは1984年から東京電力との共同開発に着手。2002年度より唯一実用化に成功していた。電解質にβ-アルミナと呼ばれるセラミックを利用し、高温(摂氏300~350度)にすることで作動する。日本ガイシの高度なセラミック技術が開発の決め手となった。

 

NAS電池は、従来国内では非常用電源などとして用いられてきたが、海外では風力発電や太陽光発電の電圧変動の抑制などに用いられて来た。米テキサス州では4メガワット(1メガワットは100万ワット。100ワットの電球を1万個付けられる電力)、アブダビでは48メガワットなどの導入事例を持っている。

今後は国内でも、再生可能エネルギーなどによる電圧変動の抑制やピークカットの技術として注目を浴びそうだ。

 

日本ガイシ株式会社小牧事業所のNAS電池工場を視察した際の写真。 右が橘民義自然エネルギー研究会代表。中央は菅直人前総理、中央右は加藤太郎日本ガイシ株式会社代表取締役。

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