リニューアボー 自然エネルギー政策研究所 Institute for Renewable Energy Policies

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農地での太陽光発電の課題

 

5日は広島で農地を視察し、地主さんと一緒に現地の農業委員会を訪問しました。地主さんがご病気などが原因で農業が出来なくなり、跡を継いでくれる人も見つからない状況の中、今後の生活を支えるために農地で太陽光発電を導入出来ないかという発想で相談があったのです。

 

 

当初は、雑種地に転用するのが比較的簡単な農地という話があり、そのような認識で行ったのですが、農業委員会に行ってみると当該地は第一種農地なので原則として転用ができないということでした。「圃場整備」と言う名目で税金を投入し、機械化をしやすいように大型化した農地だったのです。「税金をつぎ込んだ優良農地なのだから、転用なんてもっての外」という訳です。でも、現在ではこうした「優良農地」でさえも、農業を続けて行けない現実があります。まして、この30年程で放棄された「優良でない」農地は数百万haに及ぶと言われています。高齢化で農業人口の急激な縮小が予測される中、こうした農地のミスマッチは、政策の大きな課題と言えそうです。

 

さて、農地の転用ができないなると、敷地いっぱいにソーラーパネルを並べるような太陽光発電は難しい事になります。後は、本会でも紹介した「ソーラーシェアリング」など、農地のままで太陽光パネルを置く工夫が可能かという課題になります。しかし「ソーラーシェアリング」の場合は、敷地いっぱいにソーラーパネルを並べる従来型のタイプよりも効率は悪くなってしまいます。そのため、設置を業者任せにするのではなく、骨組み部分などを農家の方々が自前で設置することによってコストを抑えるような工夫が必要です。ところが、高齢やご病気などの理由で太陽光発電を導入したい場合には、そもそも自前で設置すること自体が難しいのです。

 

そういう意味では、農家さんが単体で発電に取り組むだけでなく、地域で運営会社を作るなど協同して運営できる仕組みをつくる必要もありそうです。また、お役所は「前例主義」ですので、いくら優れた技術でも最初の「お墨付き」が与えられなければ、普及も難しいことになります。このあたりの条件整備も大切な仕事だとあらためて痛感しました。

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