リニューアボー 自然エネルギー政策研究所 Institute for Renewable Energy Policies

2012年3月の記事

日本は自然エネルギー技術の宝島だった

最近、毎日のように自然エネルギーや環境に関する技術者の方々にお会いしています。多くは、勤めていた会社を退職し、日本と地球の未来のために、日々努力を重ねておられる方々です。(中には技術の売り込みや就職相談などもありますが、自然エネルギー研究会には何の予算も権限もありませんので、お役に立てません。何卒ご理解ください)

 

そんな諸先輩方のお話を伺っていると、日本には地球環境時代の激動を乗り切るための宝物の山が日の目を浴びず、大量に眠っていると感じます。そんな宝物を一つでも多く紹介し、世の中に届けることが、自然エネルギー研究会の大切な役割の一つだと感じる今日この頃です。

(大野)

漱石も風車が好きだった

確か2004年だったと思います。

そのころ私は上海に住んでいました。

周囲が中国語の中で毎日生活していると急に日本語の本が読みたくなり、東京に帰った時に夏目漱石の文庫本を全部買って来て一気に読みました。

きっと高校生の時に読んで以来だと思います。漱石の作品がその後の日本文学に大きな影響を与えた事は誰しも認めるところでしょうが、その当時の科学を見る目もまた先見性に富むものでした。

 

漱石実家

阿蘇で風車と野焼きを見た後、私は熊本市内の夏目漱石の旧家を訪れました。

熊本と言う街は縁の遠いところでしたが、昨年仕事で一回行ってからなぜか好きな街になってしまいました。

漱石は松山から熊本に来て阿蘇登山をしてそれが「二百十日」の下地になっています。

 

 

その漱石は「行人」の中で自然科学に多くふれています。

 

 

「人間の不安は科学の発展から来る。進んで止まる事を知らない科学は、かつて我々に止まることを許して呉れた事がない。」

 

漱石は科学の進歩を大切に思いながら、何か新しい世の中に不安と憂鬱を感じていたのだろうと思います。福島の事故までは、あるいは原子力発電までは予測は不可能な時代だったかもしれませんが、科学をうのみにしないと言う直感は優れていたと言わざるを得ません。

また「三四郎」でも、日露戦争に勝って喜ぶ三四郎に、「日本は滅ぶね」と言っています。
良く言われることに「電力」と言う言葉は夏目漱石の造語だという説があります。

ええ、風車は本当に好きだったのかって?

そんな訳ないでしょう。

 

風車は回る、まわる。

自然エネルギー研究会  代表 橘 民義

今日は3.11。
被災地をはじめ各地で多くの行事が行われました。「追悼式」、灯篭流し、あるいは除染活動。また海外からもいろんなニュースが入っています。

 

あなたは何をして過ごしましたか?
1.追悼式典に参加した。
2. 反原発の集会に行ってデモ行進をした。
3.いつもの日曜日と同じように過ごした。
4.3.11であることを忘れていた。

 

阿蘇にしはらウインドファーム1私の場合は熊本県西原村にある「阿蘇にしはらウインドファーム」という風力発電の視察に行きました。西原村の日置村長さんが迎えてくださり、お話を伺うことが出来たのは大きな収穫です。風車ができて観光客も増え、ふもとの「萌えの里」という西原村が経営している道の駅のような地元の農産物などを売っている休憩所は、4億円以上の売り上げになって潤っているそうです。寒くて風の強い中、風車は気持ちよく回り続けました。風車の風を切る音も機械音もて低周波音も500メートル以上離れるとまず問題ないと言うことですが、ここではその何倍も離れています。
阿蘇にしはらウインドファーム2ここの風車は羽根の部分の回転する直径が60メートルで、それが10機あります。全部で出力は17,500kwですから原発一基の50分の一くらいしかありませんが、全部九州電力が買い取っています。

 

 

 

 

 

 

阿蘇の野焼き1帰りに超大型の阿蘇の野焼きを見ることが出来ました。昔から人の知恵で山を守ってきたのです。
風車と野焼き・・・。阿蘇を吹き抜く春の風が、両方にさわやかな力を与えています。自然のエネルギーが。

 

 

 

 

 

阿蘇の野焼き2

 

 

 

 

 

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

この研究会が3月1日に発足するまで、怒涛のような準備作業が続きました。橘代表や菅直人顧問はもちろん、これまで長く二人を支えて来られた多くのスタッフや、ウェブのプロフェッショナルの方々など本当に多くの方々のお力でこの研究会が発足しました。

それでも、自然エネルギーの分野は広大で、掲げた旗の大きさに対して決して十分な陣容とは言えません。研究員を引き受けた私も研究のプロでもエネルギーのプロでもありません。多くの先達の皆様に支えて頂きながら、広大な海原の航海を始めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

自然エネルギー研究会 研究員 大野拓夫

地熱発電には大きな可能性が

自然エネルギー研究会  代表 橘 民義

 
ポルツカイザー間欠泉ニュージーランド最後の話題は地熱発電。 北島のロトルアという人口7万人くらいの町に世界3大間欠泉の一つ「ボフツカイザー間欠泉」が有ります。 まるで地底に爆弾を仕掛けているような威力で温水が吹きあがり続け訪れる人を驚かせます。 ニュージーランドにある3か所の地熱発電所は全部この町の郊外に集中していて、その地熱発電はニュージーランドの発電量の20%近くを占めています。政府は地熱発電に力を入れる方針で、2025年には再生可能エネルギーを90%にするという方針はこの国なら実現可能なような気がします。

 

実は日本の地熱発電の技術は世界でもトップクラスに位置しています。国内では適地が国立公園だったり、温泉宿泊地だったりして開発はほとんど進んでいませんが、海外からの評価は非常に高く、まったくもって「勿体ない」の代表です。知恵をしぼって温泉地とお互いにウイン‐ウインの関係は築くことがこれからの重要課題でしょう。

 

ニュージーランドは確かに人口も少なく農業国で、オークランド以外はほとんど小さな町です。クライストチャーチは昨年の地震で多くの日本人も犠牲になり、観光もそれからはほとんどなく、旅の一行も飛行機が着いたらすぐそのまま次に行ってしますようになりました。 しかし国民は冒険好きでエベレストに初登頂したヒラリー卿は有名ですが、あまり伝わっていないこととしてバンジージャンプの発祥地もニューランドです。 ヨットのアメリカンカップの連覇も知る人には大きな快挙です。

 

マオイ族の家過去に原住民マオイの人と戦った歴史を乗り越えて今は平和な国家を造り上げています。日本は極東の平和問題を抱えながら、そのうえ同時にエネルギーといういつも戦争の火種となる問題を抱えています。化石燃料の輸入に依存しないことは平和を保つことという意味でも大切です。日本の地熱の持つポテンシャルを多くの国民が見直してみるのは今です。

エネルギー自給国をめざして

自然エネルギー研究会  代表 橘 民義

 
エネルギー自給国をめざしてニュージーランドに原子力発電所はありません。水力で70%弱をまかなっています。

マウントクック国立公園では看板を立ててはいけない、電線は地下に、意味のない音はダメ、動植物の持ち込み持ち帰りは当然罰則があり、自動 販売機、茶店などもありません。

このようにして自然を守るのでいつまでたっても世界遺産として十分誇れるのだろうと思います。

ところが富士山は5合目まで行くと看板、ゴミ、騒音、土産屋さんなどであふれています。日本人とて自然は好きだし守りたいのになぜか許せる範囲が大きく違います。

この感覚の違いはどこから来るのでしょうか。

 

私は商業主義という一言で何かを否定することは好みません。多くの人が商業やビジネスで活きているので、それを否定することは自分たちの生きざまを否定することになるでしょう。

ニュージーランドもゴールドラッシュの時は内外から最大7000人が集結して、皆一攫千金を狙いました。

しかし、今は300万人の人口に4000万頭の羊がいるというのんびりした国になっています。車窓からの風景はどこまでもゆっくりしています。

そんな国に原発は必要ないし、風車さえ必要ないかもしれません。

 

エネルギー自給国をめざしてかたや日本は同じような島国に1億3000万人が住んで世界で2~3番を争うような経済中心の国になっています。今日の現実がそこに大きく立ちはだかっています。もうそんなに成長などしなくても良いじゃないかという訳にも行きません。国民の毎日の生活がぎりぎりのところに来ています。

 

ぎりぎりのところまで来ているその瞬間に昨年の東日本大震災があり原発事故があり、私たちはどこまで凌いで行けるかという窮地に立たされています。

頑張ろうとか、絆があればとかそんなきれいごとでは解決できません。少なくともエネルギー自給率をかなり高めないとこの国のすぐ近い将来に危機が来ることは容易に想像できます。

まず原発をなくしていけるだけの規模の自然エネルギーを大至急導入いなければならないのは誰の目にも明らかです。

ニュージーランド、マウント・クックの氷河

自然エネルギー研究会  代表 橘 民義

 
ニュージーランド、マウント・クックの氷河そもそも「自然」というさわやかな漢字と「エネルギー」という理科系なカタカナがマッチするのでしょうか。
「自然エネルギー研究会」の最初のテーマにすると言うほどの事ではありませんが、こんなことが気になるのは私だけかもしれません。
とはいえ法律用語の通りに「再生可能エネルギー」となるともっと面白くないですね。

今、ニュージーランドに来ています。マウント・クックの麓の氷河に手を触れて冷たさに驚いていますが、大自然の中で直接感じることは、その どうしようもない強さです。雄大さです。雪が山の上で堆積して氷となり、それが大地を削り河となっていくことこそ本当の「自然のエネルギー」 なのでしょう。

その自然の大きさのごく一部を使わせていただいて私たちは風力とか太陽光などで電気を起こすというのですが、本当にそれで良いのかとい う声もときどき聞こえています。

 

ニュージーランド、マウント・クックの氷河ある本に、風力発電の風車を伊豆の山の中に造って、低周波音が騒音として有害だとか、造った手続きが強引だとか、うまくいかないとい うことを一所懸命書かれていました。これはただ造る場所を間違えただけで風力発電がまずいという説明になっていません。

いま福島県沖で洋上風力発電を実験的に計画していますが、デンマークに私が今年1月に行った時には洋上風力発電はかなりの存在感を持っ ていました。

そうです。私たちはエネルギーを使う仕組みをすでに作ってしまったのです。そのことを忘れて原始時代のような生活や、あるいは江戸時代のよ うに電気などないという環境に返るというのは困難です。生活をするだけという立場で考えれば、ごく一部の人だけが可能かもしれません。それも かなりのごく一部の人です。

しかし、多くの人は生活者であり消費者であると同時に生産者でもあるわけです。
自然にお願いをしてエネルギーを借りて発電をしなければ日本だけではなく世界中が成り立ちません。
いきなり本題に入ったようですが、自然エネルギーをいかにして有効に利用するかが私たちの将来を決定します。
原発を止めて化石燃料をなるべく使わないようにすることこそ一番大切です。

7月1日は日本のエネルギー維新の日です。

例えばあなたが原子力発電を無くしたいと思った時どうしますか?

 

1. 原発反対のデモや集会に参加する。
2.電気はほとんど使わない生活をする。
3.選挙の時に脱原発の人に投票する。
4.ネットや手紙で友人に福島やチェルノブイリの悲惨さを訴える。

 

・・・すべて有効なことだと思います。

 

そこで私たちはもう一つの方法として、自然エネルギーを広げるという選択をしました。
地球上から化石燃料が枯渇して行く中、原発に代わるエネルギーは自然エネルギーしかありません。
原発に依存しないということは言葉を変えて言えば自然エネルギーと共生すると言うことです。

 

今年、2012年7月1日は「再生可能エネルギー法」が施行される日です。
自然エネルギーの固定価額買い取り制度(FIT)が実行されます。
こんなチャンスにあなたも自然エネルギーの仲間になってみませんか。
あなたの家の屋根にまたは空き地に太陽光パネルを取り付けることが出来ます。
海上に風力発電の風車が回るかもしれません。
森にはバイオマスエネルギーとしての間伐材が石油のごとくたくさんあります。

 

また新しい省エネ型の建築もそれを支えるシステム、蓄電池、自動車、そして最新技術の燃料電池もこの数年開発のラッシュです。
日常の中で自然エネルギーと関係して生きて行く時代がとうとうやって来ました。
そのホットな情報を提供するために最前線の人たちと交流する会を「自然エネルギー研究会」として発足しました。
ニックネームは「リニューアボー」です。
このページで一緒に自然エネルギーを楽しんでくださる人が仲間です。

 

自然エネルギー研究会(リニューアボー) 代表 橘 民義

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